自分達からは贈るつもりがなかった親戚から突然お歳暮が届いたら誰でも慌てるものです。
お歳暮は【目下のものからお世話になった目上の方への感謝の気持ちを表す贈り物】とされていますが
予期せずに目上の親戚から一方的に届いてしまった場合、自分達は何をするのがその方にたいして失礼にあたらないのでしょうか。
目次
親戚からのお歳暮にお返しは必要?
ネットには『お歳暮のお返しはふつうしないのがマナー』、『お礼状だけでよい』、と書いてあるサイトが多いですよね。
でも贈り物をいただいておいてお返しをしないなんて、本当にそれでいいのでしょうか。
お返しをするのが本当はマナーだったのに、不要だというネットの情報を信じていたら、非常識な嫁としての評判が後を引きそうですし
反対にお返しをしないのが本当に正しかったのに、下手にお返しをして相手の気持ちを踏みにじるようなことになったら、それもまた恥ずかしいことです。
実はお歳暮でお返しは不要、というのも本当ですし、お返しが必要、というのも事実なんです。
どちらになるかは相手と自分の関係によって変わるのです。
では最初に、お歳暮でお返しが必要ではない例をいくつか考えてみましょう。
お歳暮でお返しが必要ではない場合とは?
☆受け取る側が「目上」の場合
自分が目上の立場で、後輩や、会社の部下などからお歳暮が届いたら、お礼状だけでよいとされています。
習い事の先生なども生徒さんからもらったお歳暮にお返しはしない方が多いでしょう。
目下の人は日ごろお世話になっている方に、感謝の気持ちをお歳暮に託して、少しでも恩をお返ししたいという気持ちで贈ります。
それに対してお返しをしてしまうと逆に「気持ちを受け取れない」という意味に取られてしまう可能性があります。
その気遣いから、自分が目上の場合にはお礼状だけのほうがよいとされているのです。
あなたも今回お歳暮を贈ったとしたら、その人にはお世話になったから送ったのだと思います。
ですので、その方からのお返しは本来なら来ないはずですし、こちらもお返しは期待してはいけないんです。
☆自分が明らかに「客」側の立場である場合
もうひとつの例をあげてみます。
それは商売がらみで自分がお得意様の場合とかですね。
担当者もそういったお歳暮は経費で落としているはずですから、自分からはお礼を言うだけでよく、お返しは必要ありません
お歳暮でお返しをしたほうがいい場合とは?
お歳暮は一度はじめてしまうと今年で終わりではなく、お中元、お歳暮のやりとりを少なくとも数年は続けていくことになります。
毎回お金を何千円も使うわけですから、あまり意味のないお歳暮のやりとりはしないほうがお互いに良いのですが、たとえお金がかかってもお返しをしておいたほうが人間関係に角がたたない場合もあるのです。
☆対等の立場の人
目上の人でなくても自分にお世話になったという気持ちがあったり、家族ぐるみでおつきあいをしていきたいという気持ちでお歳暮を贈ることがあります。
その人との関係を良好に保つためには、やはりお返しをしたほうがよいでしょう。
☆親戚の人
親戚の方は縁がずっと続く関係です。普段あまり交流がなかったとしても結婚式に来てくださった方は、あなたたちのお二人のことを気にかけてくれるからこそお歳暮を送ってきたのだと思います。
以前に何か自分が特別なことをその方にした覚えがない限り、つまり親戚の方があなたに恩がある場合を除いて、お返しはちゃんとしておいたほうがよいです。
親戚が多い中その人だけお歳暮を贈ってきたとしたら、その方だけには今回お返しをします。
来年お中元やお歳暮も(おそらく)贈られてきますので、次回のお中元からは自分もあらかじめ贈る覚悟でいたほうがいいと思いますよ。
親戚でもお歳暮のお礼状は必要?
お歳暮の品物でお返しをするのでお礼状は必要がないと思われがちですが、お歳暮をいただいたことに対しては「お礼」はすべきです。
面識があって電話で直接話をするのが自然な関係なら電話で。
かけるタイミングは早ければ早いほどよいですので、品物をもらった当日にでもお礼を言うようにしましょう。
一方電話をかけづらい親戚には「お礼状」で。はがきにお礼を書いてすぐに投函したほうがよいです。
拝啓
師走に入りあわただしくなってきましたが○○様はじめご家族のみなさまお元気でお過ごしとうかがい安心いたしました
私どもも結婚式からすでに○ヶ月たち、新婚生活がようやく落ち着き軌道に乗ったところでございます
さてこのたびはごていねいな季節の贈り物を頂戴いたしましてありがとうございます
二人ともコーヒーは大好きで早速いただき美味しくて感動いたしました
やさしい○○様のお心配りに心より感謝しております
さて本日別便にて心ばかりの品を送らせていただきましたので、お口に合うかわかりませんがご笑納いただければ幸いです
これから寒さも本番に入りますのでご家族皆様お元気で過ごされますことを心よりお祈り申し上げます。
敬具
平成○年○月○日
ポイント
お歳暮をもらったからお返しをしましたよ、というニュアンスを入れないように気をつけましょう
親戚へのお歳暮のお返しだと金額のおすすめは?
親戚へのお歳暮は、いただいた商品と同額程度か、やや少な目の金額のものを選びましょう。
お歳暮のお返しで金額にはあるタブーがあります。
それはいただいた品より高価なものを送るということです。
その理由は2つあり、まず、自分達が目下であることからくる気遣いです。
目下のものから届いたお歳暮が目上の親戚より豪華だったら相手の立場がなくなってしまいますよね。
もう1つは、お歳暮やお中元の暗黙のルールです。
実はいただいた品より高価なものを送り返すという行為には、暗に「これからは贈り物はいりませんよ」という意味があるのです。
ですので、お返しの金額はいただいたものをリサーチして自分達が贈る品物の金額を決めてください。
またお歳暮には「半返し」という考え方は当てはまらないので注意しましょう。
お歳暮はお祝いとは違いますので、半返しというコンセプトはありません。
ただ相手が贈ってきたお歳暮があまりに高価で同額はとうてい無理、という場合ならもちろん出せる範囲で大丈夫ですよ。
親戚のその方も、おそらく新婚である若年のカップルにお返しはそもそも期待していないはずです。
自分達の身の丈に合ったお歳暮の額にしておきましょう。
まとめ
お歳暮はとどのつまり、人と人との心の交換です。
その親戚の方は結婚式できっと二人の姿に感動したとか、二人に対して何かしてやりたい、と気持ちを持ったからこそ今回お歳暮を贈ってきてくれたのだと思いますから、誠意をもってこちらからもお歳暮を贈るようにするのがおすすめです。
お歳暮の選び方 困るものと喜ばれる物