お歳暮やお中元をいただく数が増えると、忙しいご主人のかわりに奥様がお礼状を出すことも多くなります。
毎年代筆されている方ならば別ですが、今年から夫にかわって代筆することになった妻にとっては、お相手に失礼にならないお礼状とは?どうやって書いたらいいのだろうか?と悩むことになりますね。
そもそも、お歳暮のお礼は本人がするべきでは?そんな疑問も沸いてきます。
お礼状を妻が代筆することについて一般的にはどう考えられているのでしょうか。
目次
お歳暮のお礼状を代筆するときの考え方
お礼状にはふたつの重要な役目があります。
○ 贈り物が届いたことを知らせて、贈り主に安心していただくことと
○ 贈り主の気遣いに感謝していることを相手に伝えることです
家に届いた贈り物のお礼状であれば、代筆でも、感謝の気持ちはお相手に充分伝わると考えられています。
特に代筆されるのは身内の方ですから、問題ないでしょう。
ただし、代筆では失礼にあたるような地位の方もいます。重要な取引先や、妻がまったく面識のない上司、勤めている会社の取締役の方などへは、旦那さんご本人がお礼状を書くべきです。
いただいた品物が食品や飲料であれば、家族みんなで美味しくいただいております などの一言を添えると、贈った方もほっとされるんではないでしょうか。
ただし、奥様がパソコンで「代筆」というのは、失礼と受け取る人もいらっしゃるようです。
代筆する場合には、手書きが基本というのが世間での考え方のようですので、字が汚いからとパソコンでちゃっちゃと作ることはしないようにしたほうがよいですね。
お礼状は、封筒に入れた手紙でなく、はがきで出すのが一般的です。
お歳暮のお礼状を妻が代筆する場合のきまりは?
差出人は誰の名前にするか
妻の代筆でお礼状を出しても失礼がないということが分かりましたが、
その場合、差出人は夫の名前でしょうか、それとも代筆した妻の名前がよいのでしょうか?
一般的に、 妻として夫のかわりにお礼を差し上げるという文面の場合 → 差出人は夫の名前。その左下に小さく 「内」と書く のがマナーとされています。
内とは、妻が夫の名前でハガキや手紙を出しました、という意味です。
ただ上記はかなり形式的なニュアンスもありますので、親戚など日ごろから親しくしている人へのお礼状では、連名か妻の名前だけでもかまないということです。
「内」は、お礼状だけで使われるものではなく、詫び状やその他の場面で、「差出人にかわって代筆した」ということを受け取る人に知らせる脇付けで、妻の場合が「内」。そのほかの人が代筆した場合には「代」と書きます。
女性が使う頭語と結語について
夫宛てのお歳暮のお礼状ですが、書いたのは女性だから、頭語は「拝啓」でも結語は「かしこ」?
そう考える人も多いようなのですが、
差出人にご主人の名前を書くわけですから、「拝啓」 「敬具」の組み合わせを使います。
改行はそろえる
「拝啓」「敬具」は性別に関係なく使える頭語と結語です。
また、拝啓を使うときには、そのあとの時候の挨拶を入れるのがきまりですが、
拝啓 【改行】
時候の挨拶 ・・・・・
という具合に、拝啓のあと改行をして次の行から時候の挨拶を書き始めた場合、
しめくくりのご挨拶【改行】
敬具
といった具合に、「敬具」の前にも改行を入れて、頭語と結語で形式を統一するのがマナーです。
お礼状を出すタイミング
お歳暮をいただいたら、すぐ手配をしましょう。
年賀状で「ついでにお礼」は相手にとても失礼です。
お歳暮が届くのは遅くてもふつう12月20日ごろまでですので、いただいたらすぐにお礼状を投函するようにしてください。
お礼状のように、正式な文章には句読点をつけないのが慣習です
お歳暮のお礼状を代筆するときの例文
文章の構成
文章の組み立ては、妻が書く場合も次のような雛形にそって書くとよいでしょう。
頭語(拝啓・謹啓など)
↓
時候のあいさつ
↓
お礼の言葉
↓
相手の健康を気遣う言葉
↓
結語(敬具・敬白など)
といった順番で書きます。
時候の挨拶の例
12月1日~12月15日ぐらいまで
師走を迎え、ますますご多忙の時期に恐れ入ります
冬のひだまりがことのほか暖かく感じられる寒冷の候
12月10日~12月20日ぐらいまで
忘年会多き師走の候、お健やかにお過ごしでいらっしゃいますでしょうか
本年も余日少なくなってまいりました
年の暮、ご多忙の中にも活気あふれる日々をお過ごしのことと存じます
本年も大変お世話になり感謝申し上げます
行く年を惜しみながらも、新しい年に希望を馳せるこの頃
気ぜわしい時期でございますが、○○様にはお変わりなくご健勝にて何よりと存じます
相手の健康を気遣う言葉
どうぞおすこやかに新年をお迎えになられますようお祈り申し上げます
どうぞよいお年をお迎え下さいますようお祈りいたします
新春のお支度にお忙しい折からご自愛のほどを
忙しい年末ですが体に気をつけてお過しください
ご家族健康で新年を迎えられますようお祈り申し上げます
文例
拝啓
いよいよ本年も余日少なくなりましたが皆様にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます
このたびはご丁重なお歳暮の品をお贈り頂き 誠にありがとうございました
コーヒーの詰め合わせ 夫婦で楽しませていただいております
いつも主人のほうこそお世話になっておりますのにこのようにご配慮いただき恐縮しております
いつもお心にかけて頂き心より感謝申し上げます
どうぞお揃いでよいお年をお迎えになりますようお祈り申し上げます
敬具
拝啓 寒冷の候 益々ご清栄のこととお慶び申し上げます
日頃は格別のお引き立てに預かり厚く御礼申し上げます
さて このたびは結構なお品を戴きまして誠に有り難うございました
いつもお心にかけていただき恐縮に存じます
ますますお寒さ厳しくなります折 ご自愛ご健勝の程お祈り申し上げます 敬具
拝啓
今年も残すところあとわずかとなりましたが皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます
このたびはお歳暮をお届けいただき心から厚く御礼申し上げます
寒さ厳しい折からどうぞお体を大事にされてよい年をお迎えください
まずは御礼かたがたご挨拶まで
敬具
まとめ
代筆をする方も、お礼状を出す意味を改めて考えれば、「感謝の気持ち」を伝えることです。
達筆でなくても、贈った方がその品物を選んでくれた気持ちを考えて、心をこめて丁寧に書いたお礼状であれば、きちんと真摯な気持ちは伝わるでしょう。
お礼状 関連記事