シクラメンを育てていると、突然花がうなだれて元気なくぐったりしてしまうことがあります。
シクラメンは比較的「育てやすい」とも言われているようですが、個人的にはわりと気難しいお花の部類に入るのではないかと思います。
この記事では今回シクラメンがぐったりしてしまった原因が何なのか、なぜ急にくたっとなってしまうことがあるのか原因をお伝えしますので参考にしてください^^
シクラメンがぐったりした原因は?
買ってきたばかり、もらったばかりのシクラメンは株全体に勢いがあって、茎が元気に上を向いています。
ところが世話をしはじめてしばらくすると急にくたっと花が倒れてしまうことがよくあります。
筆者も花屋で働いていましたが、昨日は元気だった株が翌日急にくたっとしていることがよくありました。全部のシクラメンがそうなるわけでもく、個体によって弱いお花もあるんだということですね。
ではシクラメンが急にぐったりしてしまった原因を一緒に考えてみましょう。
水が不足しているとシクラメンが急にシナシナになります。見事に急に茎が倒れるので最初はびっくりするかも知れませんね。
シクラメンの水やりのコツはこのページの後半でお伝えしますが、水不足かどうか一番分かりやすいのは土の状態を観察することで、土を触って確かめたり、鉢を手で持ってみて軽くなっていないか調べます。
○葉の下に指を入れて土を触ってみて、土が乾いて固くなっていないか
○鉢を手で持ち上げてみて、スカスカ軽くなっていないか
水を含んだ鉢は重量が感じられます。鉢が軽くなるまで土が乾いてしまうと茎がぐったりうなだれます。
このとき土は表面もかさかさしていて固いです。
乾いている土は水の吸収が悪くなるので、普通のやり方で水やりしても足りません。
たっぷりの水を入れ物に用意して鉢ごとシクラメンの根の部分を水に沈める感じで水を吸わせます。
その際、うなだれた茎が再びシャキンと立つように、新聞紙などで鉢ごと包み、形を整えてあげるといいでしょう。
○鉢が余裕で入るバケツなどに、鉢の高さより若干大目に水を溜める
○しなしなになってしまった葉や花をまとめるように新聞紙で鉢全体を巻く
○そのままバケツに2-3時間つけておく
新聞紙で鉢を巻くのはうなだれた茎を元通りに上に向かせるためですので、見た目が気にならなければ紙はなくても水を吸って再生するのには問題ありません。
シクラメンはおおよそ10度から15度が最適な環境です。
人にとってはちょっと「肌寒い」程度の温度ですから、例えば閉め切った部屋で昼間、日のあたる窓際などに置くと温度が高すぎてぐったりすることがあります。
また暖房がついている部屋は避けてください。
人間にとってぽかぽかと気持ちがよい、という環境はシクラメンにとっては「暑すぎる」んですね。
シクラメンは気温がおおよそ20度を超えるとなんとなく元気がなくなり、25度を超えてしまうと萎れはじめます。
日当たりのよいのは好みますが、このように暑さには弱いですので、昼間窓ぎわに置くのでしたらちょっと窓を開けるなどして温度があがりすぎないように気をつけましょう。
また窓際は夜は逆にシクラメンにとって温度が下がりすぎることがあります。
シクラメンはマイナス5度以下の環境にさらされると「低温障害」を起こして、これも茎がぐったりとうなだれる原因になります。
ですのでそういった場所におきっぱなしだとすれば、昼間は温度があがりすぎ、夜は温度が下がりすぎで一気に萎れます。
時間帯によりこまめに鉢を移動してあげるか、または家の中で比較的温度があがらない、例えばカーテン越しに朝日だけあたるような場所を見つけてあげてください。
☆元気がないからと水をむやみに与えないように気をつけてくださいね。
植物は過度な世話も嫌います。ことに水のやりすぎ、肥料のやりすぎは、初心者がやりがちな枯れる原因です。
そもそもシクラメンは湿気が好きではありません。
水をやりすぎると、
○茎の根元にカビが発生したり→カビについては個別に記事を設けましたので参考にしてください
○根ぐされを起こして、根っこから水が吸えなくなったり
というトラブルの原因になります。
また鉢の底から出てきた水を受け皿にためたままにしていると、根ぐされはもとよりバクテリアの発生の原因にもなります。
受け皿に緑色のぬるぬるしたものがついたらきれいに中性洗剤などで洗って清潔に保ってくださいね。
そして下記の水やり方法を守って、水はあげすぎないようにしましょう。
明らかに水のやりすぎで根ぐされを起こしているようだ、というときの対策は、株を別の鉢に植え替えることで再生は可能かもしれません。
痛んだ根はそのままにしておいても復活せず、さらに腐った部分が他の根に影響を与えやがて株全体が枯れてしまうことになります。
その見極めは、葉や花の茎が出ている「球根」を触ってみることです。
葉を掻き分けると丸い玉状のものが土から半分でていますが、これが球根です。
球根が触ってみて固いようでしたらまだ株自体は生きていて再生も可能かも知れませんが、ぶよぶよと中が空洞っぽくやわらかくなっていたら今回の株はダメになってしまったと諦めたほうがよさそうです。
シクラメンの室内での置き場所
上記で書いたとおり、シクラメンは
☆日がそこそこに当たる(ただしカーテンなどで直射日光は遮る)
☆昼間の温度があがりすぎない(最高でも20度以下)
☆夜温度が5度以下にならない
☆暖房を使う部屋は避ける
ですので例えば玄関や廊下の飾り窓や下駄箱の上に一日のうちに何時間か日があたればそこでもよいです。
真っ暗なところにおきっぱなしは今度は葉っぱが黄色くなって元気がなくなりますので、そこそこ日があたる場所を探してあげてください。
室内のシクラメンの水やり
水やりの方法は鉢の種類によって変わります。
底に穴の空いている鉢
シクラメンが普通の鉢に植えられていて、水をやると底の穴から水はけができるというものでしたら、
☆上記で書いたとおり表面の土を触ってみて乾いていたら、底面から水がぽたぽた垂れるまでしっかりと水をあげます
☆あげる際には、茎をやさしく片手で寄せて、鉢の縁からゆっくり鉢の周囲に水をそそぎ、茎や、球根に水が直接かからないようにします
底面給水の鉢
底面給水の場合は、横の給水口から下の受け皿に水を7-8分目まで入れます。
からからになるまで放置してしまうと水不足で萎れる原因になりますので、水位が下がったらお水をちょい足しする感じで、お水が切れないようにしてあげてください。
逆に受け皿いっぱいにお水をいれてしまうと、鉢の底から出ている不織布の給水テープが水にぜんぶ漬かってしまいます。
給水テープに空気の層がないと根腐れの原因になってしまいますので、7-8分目の量は守るようにしてくださいね。
受け皿ははずれるはずですので、時々きれいに洗って清潔にしておきましょう。
そして、月に1度ぐらいでいいのですが、上記の「底に穴の空いている鉢」の水やり方法で、お水を上から流してあげます。
下から給水するタイプの植木鉢だとどうしても土の中に老廃物が溜まり、植物が弱る原因になります。
それを防ぐために、定期的に水を上から与えて、老廃物を洗い流してあげましょう。
まとめ
今回は、シクラメンがぐったりする一般的な原因をお伝えしました。
要は、
☆温度
☆水やり
です。
長い間お花を楽しむために、是非家のなかでのベストな置き場所を探し、水やりも多すぎず少なすぎず、土の様子を指で触って確認しながらあげるということでお世話をしてみてくださいね。