漆器の正しいお手入れ方法と扱い方について|保管するときの場所や方法は?

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お正月はお重箱、屠蘇器、お椀など漆器を使う機会が多くなりますが、普段つかっていないと、その取り扱いには疑問だらけです。

漆器は取り扱いが難しいといわれていますが、漆の性質を知り、正しくお手入れすれば、お子さんやお孫さんの世代までずっと引き継いで使い続けられる耐久性があるそうです。

ということで、今日はお正月に備えて漆器の取り扱いについておさらいをしておきたいと思います。

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漆器の正しいお手入れ方法は?

漆の特徴

お手入れを考えるときに、漆がどんな性質を持つものか知くことは大切だと思います。

漆の製造過程は非常に時間がかかるそうで、特に乾燥には熟練した技術が必要だそうです。

ふつう私たちは塗料といえばペンキや絵の具、その他を「乾燥させる」ことをまず考えますが、

ところが漆はまったく別の「化学反応」によって乾く性質を持っているそうなのです。

漆の乾燥は、適当な湿度と、化学反応に必要な温度が必要となります。
漆が固まるのは、漆液中の「ラッカーゼ酵素」が空気中の水分から酸素を取り込み、「ウルシオール」を酸化重合させて硬化するものです。
漆が硬化するためには、温度が24℃~28℃で、湿度が70%~85%時が適していると言われています。

漆の乾燥は、湿度と温度がある環境で行われているということを考えると、完成品を使う私たちも、漆器が極度の乾燥や温度変化に弱いことが用意に想像できますね。

日常のお手入れ

漆器メーカーによれば、漆の一番の保管方法は「日常で使っていただくこと」だそうです。

お重箱やお椀であれば大切にしまいこむより、来客のたびに使うなど、定期的に使ってあげたほうがよいということでしょう。

ただ屠蘇器など、お正月にしか登場しない漆器もありますから、長期の保管方法についてはあとの章でまとめてありますのでご覧ください。

さて、日常的なお手入れ方法ですが、各メーカー共通して、下記のことをあげています。

○ 洗うときにはぬるま湯で。柔らかい布や、スポンジのやわらかい面でそっと洗う

○ 油汚れには、台所用洗剤(中性洗剤)を薄めたぬるま湯を使ってもOK

○ 自然乾燥させないで、水を切ったあとはすぐにやわらかい布や布巾で水気を完全にとる

○ 最後にやわらかい布で拭きあげる。乾拭きすることでツヤがでるそうです

○ お重箱の角や、お椀の底に水分が残らないように気をつける

ただ、蒔絵などがついたものは、普段使いの漆器とは別に、

ぬるま湯で、ガーゼなどのやわらかい布でやさいく洗い、ふき取るときも必ずやわらかい布巾を使いましょう。

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漆器でよくある間違った取り扱い

漆器を使うときに絶対にやってはいけないこととは?をまとめました。

× 水を吸ってしまう性質から、長時間水につけておかない

× クレンザーは傷がつくのでつかわない

× 電子レンジやオーブンでは決して使わない(電子レンジで加熱すると燃えるそうです)

× 紫外線に弱いため、直射日光があたるところには置かない

× 傷が付きやすいため、陶磁器と一緒に洗ったり、重ねて保管することはしない

× 火に触れると焦げる

× 漆器はある程度酸やアルカリには強いようですが、あまりに強い合成洗剤はNG。洗剤は中性洗剤を使う

× タッパーがわり、保存容器がわりにして冷蔵庫で保管するのは避けましょう (乾燥に弱いため)

× 急激な温度変化に弱い。熱湯などを注ぐのはNG。

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漆器の臭いのとり方

新しい漆器や使っていなかった漆器に、独特のにおいが残っていることがあります。

熱い汁物をよそったときに、何かヘン?という臭いがしたら、おそらくそれは漆のにおいですので、下記の方法で臭いを消しましょう。

急いでいるとき

→ 米びつの中に数日間いれておく

→ 米のとぎ汁を温めたものに、少量の酢を入れて拭く

→ 酢を柔らかい布や脱脂綿、ガーゼに含ませ拭いたのち、ぬるま湯で洗う。

時間があるとき

→ 風通しのよい室内の日陰の場所に一週間ほどおきて陰干し

必ず日陰です。直射日光にはあてないようにしましょう

ポイント

消毒だからと、熱湯をかけるのは絶対にNG

急激な温度変化は、ピシっと一瞬でひびがはいる原因となるときがあるそうです。

しばらく使っていなかった漆器はとくに、急激な温度変化にさらすのは避けます。

なので普段使いしていないものに、熱い汁物を入れたいときには

ぬるめのお湯 → 少し熱めのお湯 → 熱いお湯

といった具合に、段階に分けて漆器温度をあげていくとよいそうです

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漆器の保管方法

使い終わった重箱や屠蘇器のしまい方

普段から使ってあげることが最良の保管方法とはいわれていますが、屠蘇器などは普段使いは無理ですので、来年また使えるように、正しく保管をしたいものです。

保管場所と保管方法

○ 紫外線に弱いので、直射日光のあたらない食器棚など

○ 傷の防止のために、重ねるときには漆器と漆器のあいだに紙をはさむ

○ 極端な乾燥に弱いため、長期使わない場合には、食器棚に少し水の入った入れ物を置いて、乾燥を防ぐとよいそうです

しまう前のお手入れ

お正月用の漆器をしまうときは、まず柔らかな布やスポンジなどで薄めた中性洗剤で洗った後、やわらかい布でふきあげます。

これをしないまま長い期間しまっておくとカビの原因になります。

漆器にカビが生えてしまったら?

翌年使用するときにカビが生えているのを発見したら、消毒用アルコールを含ませた柔らかな布で拭き取ってから洗い直せばきれいになるようです。

ただカビの生えた状態で何年も放置しておいた場合は、カビ根が塗膜に食いついて取れにくくなってしまうので、気をつけましょう。

上にも書きましたが、消毒だからと熱湯をかけたり、漂白剤につけたりしないでくださいね。

 

まとめ

こうしてみると、最初は取り扱いも普通の食器とは違うので難しそうですが、普段づかいをするというのは、漆器の扱いに慣れるという意味でも理にかなっているのかなと思いました。

せっかくの漆器のお正月用品ですから、大切に長く使い続けたいものですね。

家事のコツ, 年末年始・お正月
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